メガヒット 仕掛けの礎
幾重もの 分析・思考 行動・努力
<要点 / この本から得ること>
・インターネットにより水平関係となった時代の、お金・信用を獲得する王道の方法
・無料公開で売上がアップするしくみ(=フリーミアム戦略)のわかりやすい解説
・「行動」することの意味と実利の理解
<概要 / 本書の内容をざっくりと>
30万部以上売れ続けている『えんとつ町のプベル』の制作・販売の戦略を明かしながら、情報革命時代のお金の集め方・人の巻き込み方を著者の体験に基づき解説しており、1年前に出版した『魔法のコンパス』の内容をアップデートした内容です。
終盤、『えんとつ町〜』の映画化計画や「しるし書店」、「おとぎ出版」の宣伝ともなっていますが、クリエイターだけでなく、覚悟をもって自分の意志で決定し何か企画したいすべての人への応援となる本です。
(下に続く↓)
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<書評 / あらすじ&レビュー>
序盤、『えんとつ町〜』を分業で制作するための資金集めとして、クラウドファンディングの勝ち方=信用の勝ち取り方から入ります。(支援者数を多くするためリターンの組み方など小技も含む)
「お金=信用を数値化したもの」を読者に理解させ、嘘を言わざるをえない状態への問題提起と、空気を読むことのリスクを主張します。
そして、一見「勇気」ある意思決定は、「環境」(大御所にも怯まず本音を言えばオンラインサロンの会員が増える、など)によるものであることも打ち明けます。
次に、作品の「無料公開」について、マネタイズのタイミングを後ろにズラしている「フリーミアム」を具体的に解説し、無料化の批判意見を論破していきます。
そして、作品の無料化は「実力の可視化」であり、一番の広告は「作品のクオリティを上げること」なので、これまで以上にクリエイター間で格差が生じるものの、実力が正当に評価されるのを歓迎しています。
また、「人はアート作品にはお金を出さずとも、生活必需品は買う」と分析し、”おみやげ”は体験を思い出すためのツールとして必需品にカテゴライズされると見抜いたことで、『えんとつ町〜』の展示会を開き、その体験の”おみやげ”として売る企画のデザインを明かしています。
さらに、「著作権」や「情報解禁日」などについて、戦略や状況によって不要な場合もあり、「そもそもなぜそれがあるのか?」を考え抜く姿勢を見せています。
最後に、「自分の個性は編集結果」と考え、編集素材である他人のアイディアが集まるのは、とにかく行動・実験する人であり、「行動」には勇気でなく、情報とロジカルシンキングがあればできると説くことで、読者に行動を促しています。
<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>
・お金は信用を数値化したものであり、クラウドファンディングは信用をお金化する為の装置だ。
・作品の無料公開は、たった半年で販売戦略のスタンダードになったのだ。革命のファンファーレ。それは文明開化の音だ。この1〜2年、ずっと鳴り響いている。キミに聴こえるか?
・常識を疑い、実践し、修正点をあぶり出し、伸ばすべきポイントを徹底的になって伸ばす。その繰り返しだ。その先にしか、未来はない。
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<参照したいサイト>
<主な参考文献>
・魔法のコンパス 道なき道の歩き方(西野亮廣)2016年
・えんとつ町のプペル(にしのあきひろ)2016年
・人生の勝算(前田裕二)2017年
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