フューチャーセンターをつくろう(野村恭彦)2012年4月出版

未来への 知的資本を 生み出す場
多様につながり 起こす創発

 

<要点 / この書籍から得ること>

・新しい未来を創る最善の方法(あるテーマに関心のある人を集め、好奇心、経緯、友情を分かち合いながら、何ができるか検討し、そこで描いた未来を創るために共に行動することにコミットする)と、それを行う場が「フューチャーセンター」である、という認識

・「フューチャーセンター」を成り立たせる《6つの原則》《3つの方法論》《4つのステージ》など項目ごとの解説

《6つの原則》
❶想いを持った人にとって大切な問いから始まる
❷新たな可能性を開くため多様な人たちの知恵が集まる
❸集まった人たちの関係性を大切にし、効果的に自発性を引き出す
❹そこでの共通経験やアクティブな学習により、あらたなよりよい実践が創発される
❺あらゆるものをプロトタイピング(試作)する
❻質の高い対話が方向性やステップ、効果的なアクションを明らかにする

《3つの方法論》
❶対話❷未来思考❸デザイン思考

《4つのステージ》
❶尊敬と信頼に基づく関係性構築
❷深い対話によるダイナミックな相互作用
❸多様な方法論による未来思考
❹プロトタイピングによる協調的アクション

・日本で社会起業がなかなか大きな力となりにくい理由としての「儲かりますパラドックス」と「社会貢献パラドックス」

 

<概要 / 本書の内容をざっくりと>

副題「対話をイノベーションにつなげる仕組み」のとおり、北欧の公的機関で発展し欧州各国からアジアへ広がりつつある、複雑な問題を解決するための対話の手法・場である「フューチャーセンター」についての理念や方法の紹介となっています。

(下に続く↓)
 

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<書評 / あらすじ&レビュー>

ナレッジ・マネジメントの世界で著名なスウェーデンのレイフ・エドビンソン教授が考え出した「未来の知的資本を生み出す場」は、「世界は私たち一人ひとりの関係性でできている」という世界観に基づく対話の手法によって社会イノベーションを起こす取り組みであり、その概念を「フューチャーセンター」と呼びます。
知的資本とは、人的資本・構造的資本・関係性資本の三つからなるので、つまり”未来の”知的資本は、「人の成長」・「ビジネスモデルなどのアイデアの創出」・「新しい人と人とのつながり」のことです。

経営学者・野中郁次郎氏による賢慮型リーダーの条件(コンテキストや止揚を重視)を引き合いに、「フューチャーセンター・セッション」を進めるにあたっての設計やファシリテーションの心がけを解説しています。

 

<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>

・フューチャーセンターは、「創造的(クリエイティブ)」な発想でセクターの壁を超え、「対話(ダイアログ)」によってセクター間の新たなつながりを生み出します。そのつながりのなかで、企業と社会起業家が手を取り合って、一緒に社会と市場を変革し、新たな産業を生み出していくのです。

・フューチャーセンター・セッションの成功の鍵を握るのは、ファシリテーターです。「場を信頼し、集合的な知恵を引き出す力」を持っていなければなりません。

・未来人とは、自らの感性と価値観を信じ、今を生きている人だと思います。

 

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<参照したいサイト>

Future Center Alliance Japan
enPiT-everi Future Session (※筆者は分科会Dのファシリテーターを務めました)
マエカワはなぜ「跳ぶ」のか(前川正雄・野中郁次郎) @『1分で読書、』

 

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