日本こそ タックスヘブンと 気付かせる
税のプロたち 三者トーク
<要点 / この書籍から得られること>
・国税の情報力と税務調査官の能力の凄まじさへの認識
・経費計上できるかどうかの具体的場面について、国税の立場と税理士の見解の本音
・日本でビジネスをする際の(海外と比較して)安全さとフェアさについての再確認
<概要 / 本書の内容をざっくり言うと>
国内外での事業経験が豊富で節税についても研究してきた投資家・会社経営者のタカハシ氏が、国税局の税務調査官だったK氏と、海外税制にも通じた税理士・公認会計士の正鬼氏に質問する形式で、主に経費計上に関して具体的事例や想定されるケースについて考察・対談した本です。
(下に続く↓)
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<書評 / あらすじ&レビュー>
経営者にとって重大な関心事である”経費で落とせるか”は、「国税脳」「事業の用に供する」「ストーリー」「(国税職員は)自分たちの生活レベルが基準」の4点を念頭におき、税務官に”説得力”を持って”説明”できるかどうかに集約されます。
特に「事業の用に供する」が本書全体を通してのキーワードとなっています。
国税の情報力などの凄みを知らせるだけで終わるのではなく、脱税などよぎりもさせないようにした上で、まっとうに納税した実績と助成制度によって、中規模(年商100億円)までのビジネスは、むしろ日本はタックスヘブンと言えるビジネス振興政策であることを主張しています。
タイトルの「Facebookを使って」の部分はごく一部にしか触れられていませんが、「あの時あそこに行って何をした」をSNSに投稿して記録することで「事業の用に供した」ことを示すのが、Facebookの節税での使い方ということです。
<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>
・K 調査する側から言うと、最終的には領収書の有無よりも、その支出が正当な支出かどうかが一番の問題です。
タ 都市伝説と思われる話にこういうものがあります。SuicaなどのICカードにチャージをするときに領収書がもらえる。そして、そのカードで買い物をして領収書をもらうことで経費枠が2倍になる。
正 これは否定しておかないといけませんね。会計原則で言えば、もちろん使った分だけが経費ですね。ですのでチャージした時点では経費にはなりません。・タ 国税の人たちはなぜそこまで調査に執念を燃やせるのか、あのエネルギーはどこからくるのですか?
K ひとことで言うと教育ですね。
タ 研修がすごいとか?
K はい、強烈な研修が1年間続きます。
タ そんな人たちと渡り合うのは大変なことです。脱税などしないのが一番ですね。・K 日本では本当にビジネスは守られていますよね。
タ 根が真面目で、真剣に頑張る人を応援する国ですよ。いかんせん世界で唯一「お天道様がお見通し」という国ですから。そう考えると、安定した税制、フェアなビジネス環境、いまだに伸びしろのあるマーケット、世界最高水準の医療制度など、とにかく日本はいい国なのです。
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<参照したいサイト>
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