静岡百景(甲斐みのり)2012年

 

<要点/この本から得られること>

・どこか懐かしさを感じる静岡県各所の情景写真と文章による表現

・静岡県の観光名所と地元民に愛される老舗の飲食店や建造物などの知見

・静岡観光での著者おすすめの「おみやげ」製菓のリストと、そのシンプルな文体での紹介文

 

<概要/こんな本>

静岡県富士宮市出身であり、主に旅や雑貨などをテーマに執筆する文筆家による静岡県の紹介本です。
地元への恩返しという動機で制作され、東海道での寄り道を促すように新幹線駅(熱海、三島、新富士、静岡、掛川・浜松)ごとに章分けしてスポットを取り上げています。

 

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まず「街ごと昭和遺産といった趣」と表現される”熱海”〜伊東では、レトロな魅力を醸す洋館や飲食店などの光景を綴っています。
例えばハトヤホテルは鳩の手品で成功したマジシャンが建てた、などの豆知識も散りばめられます。

”三島”では、雑貨にフォーカスを当てた内容が多く、”新富士”では、食をメインに取り上げています。
著者の出身である富士宮では、富士山の姿や学生時代の郷愁とともに各スポットが語られます。

”静岡”の章が最も多くのスポットが取り上げられており、前半は建造物の佇まいとエピソードが記述され、後半はおでんや駄菓子屋など地元民のソウルフードの紹介により、馴染み・安心感が感じられます。
東海道五十三次の宿場町・丸子宿で自然薯のとろろ汁を出す丁小屋の場面では、松尾芭蕉の句「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」が詠まれ、『東海道中膝栗毛』、安藤広重の浮世絵にも登場するそうで、江戸時代の文化人に愛されたことが伺い知れます。

最後の”掛川”・”浜松”は、1つの章にまとめられており、「ぬくもりの森」や「ねむの木こども美術館」など田舎方面のスポットが目立ち、著者の思い入れの強い宮城まり子氏(ねむの木学園創立者)とのやりとりとツーショットが掲載されています。

 

<抜粋/ハイライトフレーズ3選>

・発する。読む。見る。触れる。感じる。考える。記憶する。思い出す。言葉に宿る無限の力と可能性。長い時間ずっと、人と人を結びつけ、それぞれが気持ちを表す形として紡ぎ出してきた不思議。平成21年、三島駅に開館した「大岡信ことば館」。まだ新しいぴかぴかの匂いを漂わせるその空間に佇んでいる間、言葉を話し、言葉を書き、言葉を思うことができる、そんな当たり前のことを、とての愛おしく思えて仕方なかった。

・「出身は?」と聞かれると「富士山です」と答えている。(中略)子ども部屋からは額縁の中の絵画でなく、現実の富士山の景色。夏の夜は、登山者が手に持つ明かりがゆっくり天に向かうのが見えたほど。

・ムーミン谷に迷い込んだような、フランスの片田舎にやってきたような、おとぎの国の世界。浜松市街から30分ほど車を走らせ辿り着く「ぬくもりの森」と名付けられた一帯。木々や草花が寄り添う中、土からにょきっと生え出てきたかのごとく、石や木やレンガや漆喰を使った建物が点在している。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気

 

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