おけら牧場 生きものたちとの日々(やまざきようこ)2000年

子どもたち 命とふれあい
自立して 生きる力を 育む暮らし

 

<この本から得られること>

・自然・動物との関わりや農村風景などの絵を描くかのような文章描写

・教育委員会から見えた学校教育の現場の実情

・肥育牛の飼育・繁殖の経験から狂牛病やクローン技術などの科学的解説と、子宮内膜症を通して環境ホルモンについての知見

 

<こんな本>

1975年に夫婦で福井県三国町(現・坂井市)で農業を始めた著者が、子どもたちの教育や農業の現場、教育委員会の仕事などを通して、驚き・感動・怒り・疑問を書いたものです。

 

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第1章で鶏の飼育についてのエピソードを、面白おかしくも「食べる=殺す」の重みや、都会ではその殺生から遠い生活のため命に対して偏狭な価値観を持っていることに気づかせます。
そして著者の子どもたち(姉と弟)が卵の生産を通じて、役割を担い責任を持って働きお金を稼ぐ、すなわち自分が参加することによって家族や社会が成り立つことを実感する大切さを説きます。

その流れで本書のメインである子どもの教育について、詳細かつ具体的に実体験と問題提起をしている第2章と第3章へ入っていきます。
動物好きの不登校の中学生がヒヨコの孵化の経験から獣医になる夢を持つようになったこと、迷子犬を学校の子どもみんなで世話し保健所に連れて行かれないよう奮闘して、引っ込み思案の子が活躍して友達ができた話から、命に触れる体験の教育への影響力を紹介することで、大人たちが見失った、子どもが時空をこえて想像力を羽ばたかせる可能性と刺激と環境を田舎暮らしは持っていることを示します。
また、著者が8年間務めた教育委員会では、その前例主義的な閉鎖性と非合理性をまざまざと見せつけられています。

第4章では畜産に携わる中で体得した知見と、更年期以降に子宮を切り取られてしまう女性が多いことへの疑問から、自然農に近い東洋思想的な考えや、『奪われし未来』というアメリカの研究レポートなどで学び、牛と人間を同時並列的に、健康的な生活環境や玄米菜食中心の食事内容などを詳述しています。

 

<ハイライトフレーズ3選>

・生きるということは、かくも残酷で明るく美しいことか!

・校長先生も先生方も、課長も、教育委員会もみんな一人ひとりはとても良心的でいい人たちなのだが、それが役場や学校の組織の一員になるとみんな同じ顔になってしまって、自分の判断で行動できず、決められなくなってしまっている。

・日本の土地や草は利用せず、ほとんどの飼料を外国の餌に頼り、よだれも垂れないような自然からほど遠い牛の飼い方。これが現在の日本の肥育技術だ。大部分の肥育農家は、サシにA5が出た、A4くらいは出さなければと出荷ごとに一喜一憂。それが結果的に内臓廃棄という病気寸前の牛をつくっている。こんな牛のつくり方がはたして本当に外国から入ってくる輸入牛肉に対抗する生き残り方なのだろうか。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気
おけら牧場について
UJIターン事例「山村に生きる力」ナビ:ラーバンの森-日本森林技術協会

 

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