Zoomオンライン革命!(田原真人)2017年10月出版

世界中 人を繋げる ツールから
生命論的 社会変革

 

<要点 / この書籍から得ること>

・インターネットが普及してきた時代の新たな社会や個人の活動スタイルの提示

・Zoomのマニュアルや、Skype/Ustreamなどとの仕様比較一覧表

・実際の使用者による具体的な使用事例のインタビュー多数

 

<概要 / 本書の内容をざっくりと>

安価で機能性の高いオンラインミーティングのサービスである「Zoom」についてのノウハウ本でもありますが、それにとどまらず、予備校物理講師や反転授業・アクティブラーニングも実践研究してきた著者の経験から、教育や社会構造の問題を指摘し変革の提言もなされます。
また、「通信技術の発達によりオンラインでの交流も、《会えないからしょうがない→会って話すよりも有効》に変わりつつある」ことを具体事例をもって示しています。

(下に続く↓)
 

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<書評 / あらすじ&レビュー>

人が繋がる方法として、リアルでのお祭りが典型例の「同調による一体感」と、それぞれ率直に自己表現し多様な視点を持ち寄り世界への洞察を深める「集合知による一体感」の、2種類を挙げています。
そして[接続・ITスキル・安定性・音質画質・相互交流・欠席・コスト]の7つの壁を崩壊させたZoomは、「集合知による一体感」を促進する充実した機能があると紹介しています。

また、現代の人類の社会構造として、
◆「機械論的秩序」:世界を巨大な機械とみなし、集団秩序は人間が部品のように秩序正しい行動で維持される、とする考え
◆「生命論的秩序」:自然に備わった秩序形成の仕組み。
の2つを対比的に解説し、インターネットで世界が繋がり合い一つの生き物のようになってきた現代から近未来においては「生命論的秩序」を重視しています。

粘菌の自己組織化の研究や、「非平衡開放系(均一ではなく、物質やエネルギーは外部とやりとりしている)では自己組織化(=自発的な秩序形成)が起こる」というプリゴジン(ノーベル化学賞受賞)の研究をヒントに、メンバーが多様で出入り自由なコミュニティを運営する工夫を下記のように列挙しています。

《自己組織化コミュニティの工夫》
1)運営者と参加者の関係をフラットに
2)安心安全の場
3)定期的にコンテンツ・プロセスを振り返りメタ化
4)参加者の自発的な取り組みを歓迎
5)助け合いの循環を促進
6)受講料は講義後に参加者が好きな金額を寄付

 

<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>

・現実空間のお祭りでは神輿や踊りが重要な役割を果たしますが、オンライン空間でのお祭りでは、その代わりに、「安心安全の場における対話」が重要な役割を果たします。

・世界はインターネットによって複雑に繋がり合い、巨大な機械というよりも、巨大な生命として捉えられるようになってきています。今まで中心を担ってきた巨大な機械のような組織は、その中で根本的な変革を迫られています。そのような時代にロボット化プロセスを進めていっても、適応する先の組織が変革しているわけですから意味がないわけです。

・自然農法家の福岡正信さんは、何種類もの種を粘土団子を混ぜ込んで、大量に粘土団子を撒きました。そのときに必要とされているものが発芽し、循環構造を生み出し、調和へ向かうというのです。私も、福岡さんに倣って、クラウドに粘土団子を撒いています。

 

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<参照したいサイト>

Zoom革命とは
ZOOMマニュアル

 

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