農業をデザインで変える(長岡淳一・阿部岳)2016年9月出版

背負い立つ ロゴマークとは 旗印
農業界に 吹き込む新風

 

<要点 / この書籍から得ること>

・「デザインロゴによるブランディング」という農業の世界にはなかった手法を持ち込む新進気鋭の会社の思想と、全国の農家さんたちの事例紹介

・著者2人の出身地である北海道十勝の農業の状況や開拓史から、これまでの活動のきっかけや背景が語られている

・地方と都会、農業とデザインのように離れていると思われる2つのことも、両方の視点を得て組み合わせることで必要とされる価値を生み出すことが分かる

 

<概要 / 本書の内容をざっくりと>

著者2人が共同代表である、北海道と東京を拠点とした株式会社ファームステッドの活動と想いを紹介したものです。

(下に続く↓)
 

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<書評 / あらすじ&レビュー>

関ヶ原合戦図から、「旗印」を掲げることで”モチベーション”が上がり”前に進む”ための”決心”ができる、という役割に気づかされ、農家にとっても旗印(=デザインロゴ)の重要性が訴えられます。

ブランドプロデューサーの長岡氏はカルフォルニアで格好良い作業着を着ていた農家をみて衝撃を受け、「とかちリアルウェアプロジェクト」で農作業着「アグリスタ」をプロデュース。
地元の農家の意見を募って潜在的なニーズを見つけ出し、喜んでもらうことに成功します。
「自分の得意な仕事の領域で十勝の農業とつながり、地元に貢献できる」(長岡氏)

デザイナーの阿部氏は東京での仕事でシンボルマークの考え方・ブランディングの方法論を身につけ、地元の人の相談をボランティアで受けているうちに、地方こそデザインの力が活かせることに気づき、本格的に活動を始めます。
「僕たちなりの方法論が農業などの1次産業や地域の活性化に必ず役に立つ」(阿部氏)

2011年に出会い意気投合した2人は「とかちデザインファームプロジェクト」を立ち上げ、現在(2016年)に至ります。
農業以外の業界では当たり前のマーケティング手法が、農業の世界には無いことに課題を見出し、CI(コーポレート・アイデンティティ)に対応するFI(ファーム・アイデンティティ)という考え方を生み出しました。
農家の持つ理念や特性を「自分が何者なのか」意識を高めるためにロゴマークにすることの効用が、多くの具体事例とともに全編で語られています。

 

<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>

・現場を見ることなく作ったデザインやブランディングというのは机上の空論。農業というのは土、水、空気、風土とともに営まれる仕事。まずはその土地を知ることから

・僕たちが農業をはじめとする1次産業の現場で行っていることは、現代の農業や地域のかかえる問題を解決する知恵を、アイデアを、わかりやすく目に見えるように伝えていく。農作物が土から育つように、デザインやブランディングの力を育てていきたい。農業とデザインを結びつけることで、1次産業の世界に新たな価値を誕生させる

・農業に従事する人たちは自分たちが日本の食を支えているという誇りと、本当に美味しいものを消費者に届けたいという情熱を持っています。毎日着るのが楽しみなるような農作業着を作ることができたら、働く人の誇りと情熱を後押しすることができる。

 

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<参照したいサイト>

株式会社 ファームステッド
【農業×デザイン編】アグリベンチャーセミナーレポート(2017.3.11)

 

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