科学が解き明かした高麗紅参神秘の薬効(矢澤一良)2010年8月出版

現代に 立証される メカニズム
東洋古来の 万能薬

 

<要点 / この本から得ること>

・糖尿病・ストレス・肥満・認知症・鬱など現代病も有効であることから近年ますます注目されるようになった、歴史の古い高麗人参の薬効について科学的に立証されたメカニズムの数々

・高麗人参の主要な薬効成分サポニン群の分類と、加工法(水参・白参・紅参)による変化や部位の違い、それを踏まえての飲み方の工夫

・実体験談とQ&Aにより、高麗人参の服用を検討する際のイメージの助け

 

<概要 / 本書の内容をざっくりと>

予防医学を専門とする著者により、高麗人参の歴史や栽培法などの導入から、様々な病症への具体的な薬効のメカニズムと体験談をまとめたもので、効果的な飲み方や瞑眩(メンケン)反応への対処、Q&Aもついています。

(下に続く↓)
 

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<書評 / あらすじ&レビュー>

高麗人参は中国東北部で山に自生していたウコギ科の多年草植物で、5000年前から薬として用いられてきたらしく、『神農本草経』(「漢方の聖書」と言われる)の筆頭に詳しい薬効が記され、学術名「パナックス・ジンセン C.A.メイヤー」(パナックスはギリシャ語で「何にでもよく効く」の意)の万能薬です。

近年は特に「疲労」のメカニズムの研究が積極的で、一般にイメージされる「乳酸が原因」は誤りであることが明らかになっています。
活性酸素の大量発生とその除去システムのオーバーワークによりミトコンドリアのATP産生能力が低下したため、細胞機能低下・組織損傷が起きた状態が「疲労」とされ、高麗人参は疲労の回復・予防に総合的に作用します。

副腎皮質ホルモンの分泌促進、胃液分泌・便秘解消で胃腸を整え栄養分吸収を助ける、肝臓腎臓機能を改善し解毒力を高める、造血し血液をサラサラにし新鮮な酸素や栄養を体の隅々まで運ぶ、などの作用により、総合的に疲労回復を早める効果があります。

 

<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>

・高麗紅参は「昔からある効きそうな漢方薬」ではなく、「明らかな効果をもつ生薬」として多くの研究者に認知され、注目を集めているのです。

・抑制と興奮の相反する薬効の二面性を持ち、しかも相殺されることなく共に作用し体内のバランスを整えます。高麗人参に関しては効かない人や合わない人が飲んでも無駄になるだけで悪化する事態は起きません。このことは、人参が広く普及した理由のひとつかもしれません。

・生(水参)や乾燥させただけ(白参)に多く含まれるのは吸収しにくいメイジャージンセノサイドで、腸内微生物によってマイナージンセノサイドへ分解されることが必要です。人によって腸内環境は様々で、より吸収性の高い代謝産物を多く産生できる人は少量でよく効くと考えられます。

 

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<参照したいサイト>

ヘルスフード科学(著者研究室)
矢澤 一良 : Aging Style(エイジングスタイル)

 

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