減速して生きる-ダウンシフターズ(髙坂勝)2010年10月出版

旅の果て 手間暇かけた BARで得る
昼寝に降りて 見出す幸福

 

<要点 / この書籍から得ること>

・著者の半生の物語(巨大システムへの疑問を感じる幼少期から、就職した大手小売業、退職しての国内一人旅やピースボート、金沢での友人T君から教わる店舗経営と飲食業界の負の面、バーを立ち上げてからのこれまで)

・儲からないことを目標としたバー経営の具体的な経営の会計、営業の様子

・経済成長へのアンチテーゼを示す生き方の提言

 

<概要 / 本書の内容をざっくりと>

池袋の小さなオーガニックバーを営むマスターが綴った、日本における「ダウンシフト」ムーブメントの潮流を起こした代表的な1冊です。

(下に続く↓)
 

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<書評 / あらすじ&レビュー>

まず第1章で、ゆったりと営むバーの営業日をさらに減らすことにした理由を、「家族とのコミュニケーションの時間を増やす」「夢(田んぼで自給、本の出版、ギター弾き語りライブ)の実現」「版張りすぎない・働きすぎない社会の実現を目指す」の3つ述べ、いずれも順調であることを示すことで、肩の力を抜いた著者の生き様を印象付けます。

次に、著者のこれまでの歩みが語られます。
就職した小売業で経済が低迷する中右肩上がりの売上目標と示し続ける会社や世間一般に疲弊し、退職して1人で自立して生きる力を身につけることをテーマにした旅に出ます。
ある海岸沿いでふと気づいた月の入りに感動したこと、登山の下りで降ってきた直感「もう頑張らなくていい」などから、旅を終えて飲食業の準備期間に入ります。その数年間でも、大量生産・流通・消費の社会システムがあらゆる歪みの元凶であることの確信に到り、小さくて「儲からない」店の経営を目標としました。

スケールメリットの逆の、「小さいことのメリット」や、「ダウンシフターズ=巨大競争社会から足を外して豊かな暮らしを実現した人々」という概念を具体的に例示し、読者に推奨します。
著者自身は完全自給を目指すのではなく、およそ半分を自給、残りの半分は貨幣経済と繋がり発信するスタイルです。

 

<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>

・私の考える豊かさと楽しさの秘訣は、手間隙かかることを手放さないことです。「お金をかける」のでなく「時間をかける」。もしくは「お金をかける」のでなく「手間隙かける」。

・もう頑張らなくていい。もう無理しなくていい。もう嫌なことをしなくていい。もう親の期待に応えなくていい。もう雇われなくていい。もう評価されなくていい。もう急がなくていい。もう大きくならなくていい。もう儲けなくていい。もう効率化しなくていい。もう経済成長しなくていい。そして、たくさん悩んだっていい。悩みを楽しめればいい。

・私はシステムから降りて、ダウンシフターズになりました。より少なく、より小さく、より遅く、低所得で幸せに暮らしています。

 

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<参照したいサイト>

減速して自由に生きる-ダウンシフターズ(髙坂勝)2014年
ORGANIC BAR たまにはTSUKIでも眺めましょ
たまTSUKIに行ってみた @『インターネットと農業』

 

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