空海は、すごい(苫米地英人)2014年

密教の 日本アレンジ クリエイター
残す至言の 現代語訳

 

<この本から得られること>

・仏教における密教の位置づけの把握と、世界宗教と比較しての大乗仏教の本質の理解

・空海が日本で為した実績

・空海の残した言葉50の現代語訳(超訳)

 

<こんな本>

(※世間のこの著者への評価については賛否両論あり、ここではそれについて特に触れません。筆者自身は著者への師事や教材購入などの関わりはなく、個人的に特に好感は抱いていませんが、純粋に文章の内容を読み取ろうというスタンスです)
密教の歴史(インド→中国→チベットや日本)をまず概観し、キリスト教の考え方と親鸞の他力本願の理解を経由することで、空海独自の密教解釈を試みた本です。

 

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著者は、密教が上座部・大乗の流れを吸収し、それを儀式化して大衆に伝える手段を備えたことで、仏教は宗教として完成されたと考えます。
「空」を表現するために密教を日本人向けにアレンジ(法身として実体のない大日如来を曼荼羅で示して、縁起という仏教の本質にまで私たちを導こうとした)したことを、空海の実績として評価しています。

日本における雑密時代(空海が密教体系をまとめる以前の、仏教の伝来が渾然とした状態)では、陀羅尼(だらに:マントラ・真言)などが個人の能力開発として(山岳)修行者などに使用されていたものの、「国家を守る」「一般大衆を救う」という大きなレベルの教えとして考えた空海は、原典を確かめに唐へ渡り、そこで恵果(唯一の密教伝承者)から『大日経』と『金剛頂経』の両系統の教えを受け、それを融合・補完することで独自の思想体系を確立したことが記されています。

本書の後半では、副題にもある「超訳 弘法大師のことば」のとおり、空海による「密教の本質を表現している言葉」「空海の代表的な言葉」「重要な思想面をうつす言葉」「人間性豊かな言葉」を紹介することで、密教の本質や空海の凄さを、短時間で大まかにつかめるようにまとめられています。

 

<ハイライトフレーズ3選>

・空海は「今ここで、涅槃に行ける」と言い切ったのです。ですから、仏との距離は親鸞よりも空海の方が近いと言えます。空海の思想は仏教の中でもキリスト教にもっとも接近しているのです。

・無量の福徳は求めざるに自ら備わり、無辺の通力は営まざるに本より得たり。→(超訳)かぎりない幸せと徳は、求めなくても自身に備わっているもので、途方もない不思議な力は、わざわざそうしようと思わなくても、すでに得ているのです。(大日経開題 法界浄心)

・仏教書以外にも、小説、漢詩評論、個人詩集などを書いています。いずれも、日本で初めての試みと言われています。このほかにも東寺の立体曼荼羅、高野山の開山、満濃池(香川県にある日本最大の灌漑用のため池)の改修など、あらゆる領域で空海はクリエイティビティを発揮しました。このように並べてみると、空海は一宗教家という枠に留まらず、総合芸術家としての才をいかんなく発揮した人といえるでしょう。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気

 

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