畑と田んぼと母の漬けもの(藤田和芳)2010年

平和への 社会運動 原点に
昭和の岩手 母のぬくもり

 

<この本から得られること>

・昭和30年代の岩手県の農村地帯の生活風景と、母を始め家族や近所の人々との関わりの美しさ

・環境問題や社会問題の解決を目指す企業を起こした人物の、その原体験(幼少期から東京での大学生時代)

・社会起業の代表的な例として、大地を守る会での事業の初期の頃の様子や理念

 

<こんな本>

副題『「大地を守る」社会起業家の原風景』のとおり、『ニューズウィーク』で「世界を変える社会起業家100人」の1人に選ばれた株式会社大地を守る会の創業者である著者の幼少期を、母との思い出を中心に朴とつと綴られています。

 

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倉本聰氏の寄せた序文に「少年の心で記された哲学書」とあり、戦後間もない田舎の様子を再び描き出すことで、現代の都会の日本人が失った「豊かさ」を浮かび上がらせるような記述が数多く並んでいます。

自宅で行う結婚式や法事、雪解けのフキノトウ、蚊帳、富山の薬売りから聞く都会の話、シャセ(誰かの訃報を家々に伝える喪服姿の人)、誕生日の赤貝カレー、などなど当時の情景が五感を通して伝わってきます。

海外視察の話では、オリーブオイルのパレスチナ、モンゴルで羊解体の儀式、韓国で友人のお酒を飲む前の儀式、タイでカエル鍋、スペインの有機農家宅配グループ、キューバの有機農業、スローフードの北イタリアなど、著者の所感とともに紹介されています。

 

<ハイライトフレーズ3選>

・母は弟や妹が病気で寝込むと、決まって葛湯を食べさせていました。私はこの葛湯が食べたくて仕方ありませんでした。ある日、頭が痛いと言って学校を休むことにしました。案の定、母はお昼に心配そうな顔をして葛湯を作ってくれました。そして枕元までくると「どうせ仮病でしょう?」と言うのです。ばれていたのですね。

・私の子どもの頃は電力事情が悪く、よく停電していました。慣れたもので、電気が消えるとすぐロウソクが出され、皆何事もなかったように食事を続けたものです。外に出てみると、村中真っ暗。どこまでもどこまでも暗やみが続き、自分がどこに立っているかもわからない。ロウソクの灯は、ひとつの救い。今年もキャンドルナイトに参加します。たまには立ち止まって、自分の足元を見つめ直してみるのもいいかもしれません。でんきを消してスローな夜を。地球温暖化の問題や原発のこと、飢えや貧困で苦しむ人々のこと、日本の農業のこと、世界の平和など、考えることはいっぱいあります。

・相手の国に友だちをつくることは、最大の戦争抑止力。生産者や消費者の関係も同じ。誰が食べるかわかれば、生産者は安易に農薬を撒かないでしょう。消費者も誰が作った野菜がわかれば、感謝しながら食べるはず。「顔の見える関係」こそが信頼につながります。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気
株式会社大地を守る会社長挨拶
特集『大地を守る会』@インターネットと農業
「夏越の大祓」に「100万人のキャンドルナイト」はいかがでしょう?

 

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