無意識と対話する方法(前野隆司・保井俊之)

現代に ダイアローグで 呼び覚ます
調和に生きた 古層の記憶

 

<この本から得られること>

・ダイアローグ(議論や討論とは違う”対話”)がこれからの時代に非常に大切であることの認識

・古今東西の思想史が、近代のアメリカ西海岸(ベトナム反戦運動がきっかけ)を起点として、現代の日本に集約されていく様子の網羅

・幸せを感じる瞬間として著者たちは「論文を書いている時」を挙げ、無心になって脳から次々と言葉が溢れ出すのは心地よい、ということでありライティングなどをする人にとって明るい指標となる

 

<こんな本>

幸福学と社会システムのデザインを研究する2人の学者・活動家による対談形式で進められ、「ダイアローグ(対話)」についての様々な考察と、現実の社会への適用をまとめています。

 

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ダイアローグとは「聞く」「大事にする」「保留する」「出す」の4つの行動をすることで成立する、様々な問題解決に役立つと期待され近年世界中で注目を集めている手法のこと。
本書はこのダイアローグの定義やその効果、発祥や発展の歴史を探っていくことから始まります。

ダイアローグが生まれたのはベトナム戦争の頃のアメリカ西海岸の運動や、それを体系立て理論化したアメリカの大学教授らの論文ですが、そもそもは東洋思想であり、そして日本には特にその事例が古くから見られたことに気づかされます。
中盤ではその日本的な習慣・風習など交え、インディアンの火を囲んで車座で語り合う文化、西洋でも古代(ユダヤ教など)の円環状の時間概念が次々と挙げられ、知的興奮のボリュームとしては十分な内容です。

次に具体的なダイアローグの事例が豊富に紹介され、終盤は”幸福”がテーマに収束されていきます。
スカイプ対談をライターが注釈を加えながらまとめ、著者2名が互いに相手の語った部分を編集することで出版物となった本書は、この対談形式だからこその”ダイアローグ”的な深み・広がりに至ったと思われます。

タイトルにある「無意識と対話する方法」として、具体的な手法がないわけではありませんが、ワークショップなどでその”形”だけをやってみても、その先に進まず「いいお勉強をしたね」で終わってしまうことが多いことを問題として挙げられています。
手法・方法・形式・フレームワークなどに囚われず、十人十色の自分にとっての心の奥底の声とのダイアローグを見つけていくのが最良だ、と最終的にほのめかされています。

 

<ハイライトフレーズ3選>

・新しい文化が来ると古いものはいったん破壊されてしまう。しかし、完全に消滅するのでなく、意識の湖底に沈んでいき、記憶の古層に「感じ」として生き残っている。

・右肩上がりの経済を経験して、それが終わるとダイアローグが流行る。

・人間(じんかん)、つまり関係が構築された人と人との対話のタテヨコの糸によって、「知」は織物のように作り出される。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気
前野 隆司 | SDM|慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科

 

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