無農薬 無化学肥料 基本には
陰陽理論と 千島学説
<要点 / この書籍から得ること>
・無農薬・無化学肥料の農法の伝道者として日本を代表する一人である著者の、現在の活動に至ったきっかけとなるエピソード(臨死体験など)と、循環農法の具体的な説明
・マクロビオティックの提唱者:桜沢如一氏による「陰陽の本質」の簡潔な導入から、「陰陽」を食べ物においての適用(旬や調理法)、薬草の使用法を著者の体験付きで紹介や、塩を中心に考えた食事療法など
・なずなグループの8つの目標の表明と詳細解説
<概要 / 本書の内容をざっくりと>
大分県で”循環農法”を営む著者が、著者の主催する「なずなの会」の会員が実際に畑で行っている具体的な手法を「陰陽」と「循環」に基づいて紹介・解説している。
(下に続く↓)
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<書評 / あらすじ&レビュー>
本書ではまず、日本農業の戦後からの歪みを問題提起し、その要因は農薬・化学肥料・輸入小麦・塩田法などであると指摘するところから始まります。
そして著者の経験と土壌分析のデータ蓄積によって確立された”循環農法”を、主に「草・菌・虫」の働きを紹介しながら解説しています。
基礎となる理論として「陰陽の本質」の<七つの法則>と<十二の定理>を提示し、それに基づき各事例(農法・食事・病気や怪我の療法など)でアドバイスなどを簡潔に記しています。
※<七つの法則>は以下 (<十二の定理>は別記事へ)
■表があるものには裏がある
■始めがあるものには終わりがある
■この世に同じものは何一つない
■表が大きければ裏も大きい
■対立するすべてのものは相補的である
■すべてのものは基本的な二つの力、陰と陽によって変化する
■陰と陽は一つの無限(太陽、虚空、永遠、絶対、神)から生じ、二本の腕(分化)のようなものである
千島学説という現代科学では認められていない(東洋医学の現場からは支持されつつある)理論の影響も大きく、常識を超えた数々の記述内容も見所です。
<抜粋 / ハイライトフレーズ3選>
・1匹として無駄な虫はいないし、無駄なカビも存在しません。そして、1種たりとも無駄な草はないのです。その死骸や糞でさえ、ひとつとして無駄なものはありません。まさに、すべてが命を引き継いでいくために循環しているのです。
・最終的にオオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、ハコベ、ナズナが1メートル以上に勢いよく育つようになると、その土はミネラルを多く含んだ最上の状態になったことを現し、なんでも育つ土になっています。こうなると土本来の循環が始まり、収穫した量だけの堆肥を入れてやれば、作物が順調に育つようになります。もちろん、そこにできた草は持ち出さずに常に入れ込んでいきます。
・医学知識もない百姓が、千島学説を何の抵抗もなく受け入れ、理解できたのは、千島先生の説明の中に、「小腸は畑で、絨毛は植物の根毛に値し、人体と植物はまったく同じ原理で成り立っている」とあったからです。
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<参照したいサイト>
なずなの会
2017年7月8日の講演会レポート@青葉の森公園芸術文化ホール
千島学説とは
陰陽理論まとめ(筆者のブログ記事)
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