「量子論」を楽しむ本(佐藤勝彦)2000年

若き才 時代に集い 挑み立つ

不思議不可思議 ミクロの世界

 

<この本から得られること>

・数式をほぼ用いずに量子論の描く世界を概観できる

・20世紀の物理学の革命の歴史を、著名な学者名や実験・理論とともに時系列で追える

・量子論を発展させた「場の量子論」や素粒子物理学、量子コンピュータ・量子暗号などの応用など現代や未来の実用技術の簡潔な紹介

 

<こんな本>

「インフレーション理論」の提唱者の1人で第一線を走る宇宙物理学者が監修したものでありながら、一般向けに量子論を直感的に理解することを目的としていて、どの章も非常に読みやすく工夫された文体となっています。

 

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序章でシュレーディンガーの猫のキャラクターを司会に、量子論の最大功労者ボーアと、多大な貢献をしながらも確率解釈には終生反対したアインシュタインの2人の議論がなされ、次章から詳しく見ていくという流れで量子論の世界に誘われます。

光が示す「粒でもあり波でもある」不思議な二重性を電子も同様に示すこと、1900年にプランクが溶鉱炉の研究から光(黒体放射)が”とびとびのエネルギー値”を示すことから”量子”仮説を提唱したことなど、量子論の幕開けから順を追って紹介されます。

次に27歳の若きボーアが「ラザフォードの原子模型」の欠陥を克服する”型破りな仮定”を「プランクのエネルギー量子仮説」「アインシュタインの光量子仮説」から持ち込み、前期量子論と呼ばれる古典物理学から脱却する革命的な功績を挙げ、その後の2〜30年で世界中の若い天才物理学者たちが競って量子論を組み上げていく過程が描かれます。

また、シュレディンガー方程式に想像上の概念であるはずの虚数が含まれていること、多世界解釈(並行宇宙論・パラレルワールド論)が理論の破綻がないことなど、人間の普段の感覚的には馴染まない世界観も噛み砕いて説明し、さらに本書では、量子論が示すその信じがたいようなことの背後に何か真理の存在を匂わせつつも、”分からない”というスタンスを貫いています。

 

<ハイライトフレーズ3選>

・量子論は、ミクロの世界に始まって自然界全体のしくみがどうなっているのかを表した「考え方」や「思想」です。一方で量子力学は、量子論に基づいて物理現象を記述するための「数学的な手段」なのです。この本では「量子論」のほうを説明していきますので、学校で物理や数学が苦手だった人もきっと理解してもらえると思いますよ。

・量子論は、物質や自然がただ一つの状態に定まらずに非常にあいまいであることを、そしてあいまいさこそが自然の本質であることを私たちに示したのです。

・概念的または哲学的な意味での「無・ゼロ」は、物理的にあり得ないということも、量子論が明らかにした真実の一つです。

 

<参考サイト>
ガイダンス・コラム記事一覧@二十四節気
量子論(素粒子論)×般若心経

 

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